20110930

【福島原発事故緊急会議】 反原発デモに対する弾圧に抗議する

反原発デモに対する弾圧に抗議する
福島原発事故緊急会議
2011年9月26日
http://2011shinsai.info/node/844

3月11日の福島第一原発事故が引き起こした空前の放射能災害の後、原発の即時停止・原発のない社会をめざす運動が日本の各地で、これまでにない規模で 作りだされてきました。6月11日には全国で6万7000人を超える人びとがさまざまな集会・デモに参加しました。9月19日に明治公園で開催された「さ ようなら原発」集会には、6万人もの人びとが参加しました。「脱原発」をめざす数えきれないほどのデモ・パレードには、高齢者から若者、幼い子の手を引い たり、抱きかかえた親たちなど、被災者・避難者をはじめとした実に多彩な人びとが、それぞれの切実な思いを抱いて、「原発はもういらない」「福島を繰り返 すな」の訴えを発しています。デモやパレードに参加するのはこれが初めてという方もたくさんいます。
しかし、このデモ、集会に対して、警察当局は「交通の妨害」などを理由に、表現の自由という基本的権利を踏みにじる規制・弾圧を繰り返してきました。私 たちの知る限り、東京では5月7日に代々木公園から出発したデモで4人が逮捕されました。8月6日に日比谷公園から出発したデモに関しても4人が逮捕され ました。いずれの場合でも、この不当逮捕はデモへの嫌がらせとしか思えない警察官による執拗な行進への規制、妨害、暴行、参加者への無差別な写真撮影への 抗議に端を発したものです。「混乱」を意識的に作り出したのは警察官でした。
私たちも参加した「9・11再稼働反対・脱原発!全国アクション」実行委員会は、9月3日付で「要請書 警察は不当なデモ規制をやめろ」を作成し、9月 11日に日比谷公園から出発するデモの申請(9月6日)にあたって警視庁にこの要請の内容を伝えるとともに、書面を提出しました。
その要請の内容は「恣意的なデモ分断をやめろ」「デモ参加者への危険な身体的圧迫をやめろ」「指揮官車による騒音と偏見をあおる宣伝をやめろ」「デモ参加者への写真・ビデオ撮影は肖像権の侵害だ」の4項目からなっています。
警視庁の警備連絡担当者は、私たちの要請に対して「趣旨は警備担当の連絡会議で伝える」と述べていました。
しかし同じ9月11日に、新宿中央公園から出発した「原発やめろ!デモ」に対する警察官の規制・弾圧はこれまでを上回るほどのものでした。何よりもこれまで幾度となく行われてきた新宿駅東口アルタ前から出発するデモ申請が直前になって一方的に変更させられました。
当日やむなく新宿中央公園から出発したデモに対して、警察官は初めから「圧縮」「歩道に上がるな、歩道から入るな」などの不当な挑発と暴行を繰り返し、 次々とデモ参加者に襲いかかり、逮捕しました。また新宿3丁目交差点近くの「歩行者天国」では「原発の火を消させない国民会議」を名乗る「在日特権を許さ ない市民の会(在特会)」などによる、デモへの卑劣な妨害宣伝を許容しました。そして「奴らを原子炉に生きたまま叩きこめ」などの罵倒に抗議したデモ参加 者に対して、「在特会」は「逮捕しろ」「射殺しろ」と連呼し、それに応える形で警察官が抗議したデモ参加者に暴行を加え、逮捕するという連携プレーまで見 られたのです。
この中で実に12人ものデモ参加者が公安条例違反などの理由で逮捕されました。マスメディアは被逮捕者の実名まで挙げて「デモ許可条件に違反して歩道に まで広がった」などと報道し、「違法なデモ」を行ったかのように印象づけています。しかしもともと街頭での表現行為の自由という民主主義的権利の根本を 「交通への妨害になる」という名目で一方的に規制・弾圧する法律や条例自体が世界的に見ても異常なのであり、今回の逮捕はその適用の仕方も度を超えた拡大 解釈と言わざるを得ません。そればかりではありません。この間、街頭での反原発のチラシ配布や署名集めに対しても、道路交通法違反を名目にした妨害が目 立っています。9月23日には、差別・排外主義に反対するデモにおいてまったく突然、デモの中にいた反原発運動をともに担ってきた仲間に、多数の警察官が 襲いかかり、引き抜いて逮捕するという事態まで引き起こされました。弾圧はもはや「人さらい」という水準に達しています。
私たちは、原発事故に抗議し、原発はいらない!と訴えるデモを、「社会秩序を乱す危険な行為」として敵視し、脱原発の主張を社会的に封じ込めようとする 狙い撃ち的な弾圧に強く抗議します。一連の弾圧・逮捕のエスカレーションは、「原発をやめろ」の訴えがこれ以上拡大することへの危機意識にかられた政治的 対応だと判断せざるをえません。
私たちはあらためて訴えます。警察はデモへの分断・規制・逮捕をやめろ。基本的人権であるデモの権利・表現の自由を侵害するな!