問題提起★伊藤晃さん(近現代史)
彦坂諦さん(作家)
天野恵一(反天連)
日時★2011年7月10日(日) 午後1時30分より
場所★ピープルズ・プラン研究所
(東京都文京区関口1-44-3 信生堂ビル2F)
地下鉄江戸川橋駅 徒歩5分
主催★反天皇制運動連絡会
3月11日の東日本大地震、そして、それに続く福島の東電原発事故。多くの人々が命を落とし、日々の生活を破壊された。一連の事態はいまだに進行中であり、そして生を守り再建するためにいますぐ取られるべき有効な手立ても、いまだ手つかずだ。
震災後のこの社会の姿と、敗戦後のそれとをパラレルに語ることが、論壇において一種のブームのようだ。もちろんそれは、理由のないことではない。
地震そのものは天災であっても、その被害を拡大したものは人災である。原発事故とその被害に至っては、これは明らかに人災である。そして、あからさまな人災以外のものでない戦争も、まるで「不幸な」天災のように語られ続けている。
私 たちは、いま、天皇アキヒトの「ビデオメッセージ」がマスメディアを通して流され、関東の避難所に始まり、東北三県の被災地をまわって「慰問」と「鎮魂」 を演出している天皇夫妻、そしてそれを「感激」して迎える被災者たちの映像を見せられている。それはまさに「玉音放送」から沖縄を除く全国「戦後巡幸」 を、民衆の歓呼のなかで「精力的」にこなした父親・ヒロヒト天皇の姿とオーバーラップする。だが、ヒロヒトの一連の行為の意味とは、いったい何だったのだ ろう。
天皇の戦争責任を解除し、戦争の死者や被害に対する民衆の悲しみと怒りが 国家に向かわないようにさせ、さらには戦後天皇制国家を庶民レベルで「お披露目」するためのパフォーマンスがヒロヒトの「巡幸」であったとするならば、今 回のアキヒト天皇の「巡幸」がもたらすものは、何の隠蔽であり、どのような心性の組織化であるのか。
私たちは、戦後直後の天皇制の行動と、震災直後の天皇制の行動とを重ねて検証していくことをとおして、現在進行中のこの事態と天皇制との関わりを考えていきたい。
天皇の被災地「巡幸」―――天皇はいったい、何をやっているのだ!?