2012年3月18日、私たちは、新宿で「だからこそ、反戦を!」集会とデモに取り組んだ。
私たちのデモは、防衛省先から曙橋にいたる靖国通りで、右翼による激しい妨害と暴力に直面した。
靖国通りに並んだ十数台の街宣車は、デモ隊に対して大音量で罵声を浴びせ続け、車を降りてきた右翼たちは、歩道側・車道側からひっきりなしにデモ隊へ突入した。彼らによって、蹴られ、押し倒された参加者もいた。さらに彼らは沿道から石のようなものや卵を投げつけ、またペットボトルの水をまいたりした。とりわけ危険だったのは、デモコースの道路をまたぐ歩道橋の上に右翼が陣取っていたことだ。そこからデモ隊に物が飛んできたが、大きな石でも落とされれば、死者が出ても不思議はない状況だった。さらに、ポリタンクに入れた正体不明の液体を、歩道橋からデモ隊に浴びせようとして仲間に止められていた右翼も目撃されている。中身は一体なんだったのか。水であれば、当然止められることはなかったはずである。
横断幕やプラカードは奪われ、破られ、旗棹は折られた。ドラム隊は「うるせんだよ」と怒鳴られ、蹴られ、楽器を奪われかけた。デモへの右翼の突入を阻止する過程で何人かの負傷者も出た。
とくに、宣伝カーに対する攻撃は激しかった。宣伝カーの前に座りこんだり、車体を叩いたりする。ドアを開けて乗り込もうとする。バンパーは破損し、後部座席歩道側の窓ガラスが割られた。そこから車内に入り込もうとした右翼は、口に含んでいた水を、運転手らに吹きかけた。運転手への攻撃によって運転を誤れば、人身事故にもつながりかねないだろう。
一連の右翼の暴力によってデモ隊は大きく乱されたが、コールやドラムはとぎれることなく、最後までデモは貫徹された。
今回の右翼の暴力が、きわめて計画的なものであることは、彼らが用意周到にも準備していたさまざまな投擲物によっても明らかである。そしてデモコースと通過時間のタイミングからして、事前に公安警察から情報が流されていた可能性はきわめて高い。警備も右翼を規制するよりも、デモ隊を早く進めさせることに専念し、車道側からデモ隊を押して混乱をより拡大させた。宣伝カーの窓ガラスを壊した右翼も、その場で警察によって身柄をひきはなされはしたが、逮捕されることもなくすまされている。こうした点において、私たちは、右翼にたいして甘く、むしろそれを口実にデモを規制していくという警察のあり方が、あらためて露呈したと指摘せざるを得ない。
「だからこそ、反戦を!」という私たちの声を暴力で圧殺しようとした右翼たちの行為それ自体に、彼らの戦争や軍事、暴力を賛美する彼らの意志がはっきり現れている。と同時に、私たちは、今回の暴力行為が、たんに反戦運動に対する敵対であるばかりでなく、デモという表現行為全体に向けられた攻撃でもあったということを、再度確認しなければならない。暴力で抗議の声をつぶしていこうとする行為は、とくに3.11以降拡大している、街頭におけるさまざまな政治的表現を分断し萎縮させていこうとする、権力の政治意志と確実に連動しているのだ。だからこそ、右翼とそれを利用した警察のデモ弾圧を弾劾する声を、さまざまな運動を共にする多くの人びととともに、何度でも上げていきたいと思う。
*物損をはじめとした当日の被害( 他団体から借用した宣伝カーの修理費に、最低でも10万円以上かかります)に対して、支援のカンパを呼びかけます。運動つぶしに屈せず、行動を持続していくためにも、ぜひご協力をお願いします。
ご協力頂ける方は、以下の振替口座に、3.18カンパと明記してご送金下さい。
郵便振替口座番号 00150-9-466604
加入者名 反安保実行委員会
2012年3月31日
3.18集会呼びかけ団体
沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会
戦争に協力しない!させない!練馬アクション
立川自衛隊監視テント村
反安保実行委員会
反天皇制運動連絡会
有事立法─改憲阻止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会